はんだ牛蒡生産者 反田孝之さんブログ - 2013年9月の記事

9/30 個人向け販売のこと

最近はブログがとぎれとぎれだが、ここまで書く暇がないことも珍しい。パソコンの前には結構いるのだが、メール対応やお米の予約対応などタイミングがあることに忙殺されている。

うちは個人向け販売を初めからあまり想定していないので、ちょっと気まぐれでネット販売や予約販売などに手を出すと、その対応に手間を取られてしまって、肝心要の日々の管理作業などが疎かになってしまう。

お客さんの中には、買ってやるんだから嬉しいだろ的に上から目線で対応をする人もいたりするが、誤解を恐れずに言えば、個人向けは必要に迫られてやっているわけではないから、別に買ってもらわなくたってなんら構わない。かといって売ってやるという態度でもない。そういう「買ってやる、売ってやる」という関係でなくて、うちの農産物を媒体として、うちへの理解と信頼がある人と、今の社会の問題や課題を共有したいのである。

そしてそのうちに、反田から買わなくても自分で育ててみようか、などとなるのが嬉しい。お米の予約購入のお客さんの中にも、米作りをやるつもりになっている人や実際に始めた人がいる。今年は注文が来ないかなと期待していたら、なんだやっぱり来ちゃったよ、となったりするんだけど。

そうか、うちのHPを見ていない人は知らないか。今、お米の年間予約を受けている。こちらをクリック→(★)。昨年のお客さんが優先なので、残り枠がわずかしかない。利用しようという人はお早目にどうぞ。

9/26 息子が発熱で

早朝、息子が発熱したのを知る。

さあて、こうなると大変なのだ。保育所には行けないから、まずは実家へ電話。お袋に預かってもらえれば事なきを得る。しかしあいにく午前中は出荷作業が忙しいらしい。(両親も土木部門をたたんだ後は百姓をしている!主に花卉栽培。)

こうなると、私か女房かどちらかが面倒をみないとならんが、今日は出荷作業が忙しい。生産現場はさぼったって誰にも迷惑は掛からないが、出荷はそうはいかない。ということで慣れている女房が出荷に回って、私が息子の相手にすることになった。

38度を超えているというのに、幼児は元気なものだ。さっそく「ばあちゃんち行く。」と言って聞かない。それで誰もいない実家で「ばあちゃん」の帰りを待つことに。

「何か欲しい(食べたい)。」「お外行こ。」「畑行こ。」「2回に行こ。」「スミちゃん(猫)探そ。」「テレビつけて。」「肩車して。」「おんぶして。」「ばあちゃんは何時に帰るの。」・・・。とてもジッとしてはいない。

外は抜けるような青空と爽やかな秋の風。泣きたいくらい作業が溜まっているのに、こんなことをしているのがなんだか不思議。でも「こうするしかない」というのは気が楽でいい。安心して滅多にない息子と2人っきりの濃い時間を過ごした。

昼前に「ばあちゃん」が帰ってきた。お別れだ、少し寂しい気もちに。さあ、おとっつぁんは頑張るぞよ。俺の背中を見ていてくれ。

9/25 ここ数日

ここ数日あまりの忙しさで書く暇がなかった。デスクワークも溜まりに溜まってしまった。自宅のパソコンのキーボードが壊れて入力できないことが何とも不便である。メール対応などもかなり滞っている。(順次ご連絡申し上げます。。。)

稲刈りが真っ盛り。82%が終わった。そして同時に畑の管理も進めている。次から次に作業が押し寄せる。こんな中でのトラブル、今度は40馬力トラクターのエンジンがかからなくなった。メーカーが修理に入ってくれているが、作業を急いでいるので痺れる。

大豆畑のミツモンキンウワバはほとんど全滅した。土曜日には相変わらずの盛況ぶりだったが、昨日(火曜)普及部の人が見に来たら、全滅していた。白くカビが生えたようになって干からびている。時間が突如止まって動けなくなったかのように、それぞれの体勢のままで白くなって死んでいる。わずか2日間の間に何があったのか。こういうことはよくあるとは聞くが、何かとてもショックである。

今日は久しぶりの雨というので、慌てて採種用のニンジンの種まきを。固定種の種まきが出来ずにいたのだが、せめて種を繋げる分は、ということで。それにしても昨年あれだけ苦労して女房と種をたくさん採ったのに、結局今年はわずか4条くらいの種まきになった。採った種の1%も蒔いていない。残りは全部廃棄だ。こういうことの繰り返し、私の農業は、人生は。

種を蒔き終ったとたんに雨が降ってきた。最近こういうのはいつもセーフ。どうせ稲刈りも出来んし、と思った途端にどっと疲れが。事務所で段ボール引いて昼寝を1時間。起きて、さてさてデスクワークを、と思ったものの頭が回らん。でこれを書く。

9/20 大豆の被害から思うこと

大豆の被害は一夜明けて明らかに広がっている。大発生しているのは「ミツモンキンウワバ」でおそらく間違いない。普及部(県の農業相談機関)の担当さんが教えてくれたサイトに載っていた。さっき畑で採取して持って帰られた。これから生態など調べてくれるらしい。

で今、弁当食いながら調べていると、こんな説明を見つけた。(太字は私)

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 本種はダイズ、ニンジン、ワタなどを食草とし、秋大豆では年2~3回発生するとされている。卵は葉に1個づつ産みつけられ、約4日間でふ化する。幼虫は80~90㎝のダイズ葉を摂食し、5齢または6齢幼虫を経て約2週間で葉裏に薄まゆを作って蛹化する。  北部九州では、6月中旬以降、夏大豆で発生が認められ、密度は6月末~7月上旬頃にピークに達する。秋大豆では8月頃から発生するが、8月末~10月初めに発生量及び被害が多くなる。その後11月初めまで幼虫・蛹が認められるが、本種は休眠性をもたないので県内での越冬は困難と思われる。  本種は比較的寄生天敵による寄生率が高く、発生後期には主としてキンウワバトビコバチに寄生された個体が目立ってくる。また、夏期に雨天が続くと、緑きょう菌に寄生を受けて死亡する個体が多くなる。  ハスモンヨトウ同様、薬剤散布の効果は、老齢幼虫に対して劣るので、できるだけ若齢幼虫をねらって散布する。
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他の文献にはゴボウの葉も食べるとあった。確かにときどきゴボウ畑で見かけるのはこれである気がする。「こんな苦い葉っぱ(ゴボウの葉は強烈に苦い)を食うやつがいるのかあ」、といつもほのぼのと眺めていたが、このたびはそんな気にはなれない。

ここから何を学ぶか。

「原因は何か?」などと短絡的に求める気はさらさらない。自然界とは複雑である。多くの条件が絡み合って起こった現象だろう。今田地区の土、天候、排水、天敵環境、時期、こういうものが演出した壮大な現象だろう。すべては自然の采配、宇宙の采配である。

このたびはただ眺めて祈るしか方法はないが、来年以降に私がやるべきことはたくさんある。その中で一番大切なのは、実にありふれたことで、「土」を作るということ。これで8~9割がた解決すると考えている。今田の土がどういう土か。このたび被害を受けている大半の圃場が、終戦前後の洪水で表土を流され、地元の人が耕作を続けながら土を増やし、2010年まで慣行稲作、2011年に圃場整備のため1年休耕、2012年にうちが無施肥稲作。こういう歴史をまず眺めてみる。

我々のような業界(笑)では、このたびのような被害は畑の土にとってプラスと考える。害虫や病気(菌)は、悪いものを浄化してくれると考えるし、科学的にも事実。ただ事実であっても農業者が普通に受け入れがたいのは、心情や経営のことがあるからである。

しかし私は心情は鍛えられている(笑)ので、あとは経営のことである。そう、このたびの被害を受けて私がやるべきもっとも端的なことは、経営である。といっても資金繰り的なことというより、今後進むべき方向である。自然栽培を求めていくことは動かないとして、経営的にどう求めていくかという塩梅である。いろんな判断が要る。それにしては私はまだ無知すぎるし無力すぎる。もっともっと勉強がしたい。

9/19 大豆の大被害

結局昨日はできなかった稲刈りをやろうと田んぼに行ったところ、隣接する大豆畑を見ると何か様子がおかしい。近づいてみると驚くべき光景。葉っぱが虫に食害されていたのだが、その程度が凄まじい。残っているのは葉脈だけ、ひどいところは一株全部がやられている。

3haの作付け中、程度の違いはあるが、8割くらいの面積でやられている。田んぼは毎日観察していて昨日は気が付かなかったわけだから、この調子ではこの2~3日で全滅するのではないか。

なんという虫かネットで調べてみるのだが、今一つ良くわからない。青虫の類はヨモギエダシャクくらいしかないが、少し違う気がする。

今のところひどい被害は今田地区だけで、下の原地区1.5haは大丈夫。(田津地区1.7haは洪水でめちゃくちゃ。)

被害があるからといって、今さらどうすることもできない。洪水のせいで今年はすでに厳しいが、頼みの大豆もこれでは、完全に息の根を止められたということだ。

9/18 お米のご案内が遅れています

今日の昼一からの稲刈りを目指して、昨日に引き続き早朝から準備を進めていたが、これを書くお昼時、まだ終わらない。稲刈りを再開するためには、前回分を乾燥機から排出しなければならない。そして排出と同時に籾摺り~袋詰めをやることになるのだが、籾摺り機の調子がたびたび悪くなり、原因の究明やその都度の調整に時間がかかって能率があがらないのだ。

また一昨年から、籾摺りと同時にもみ殻をマニアスプレッダに積み込むことにしているが、籾摺り30袋分くらいでもみ殻がいっぱいになるので、途中で一度田んぼに撒きに行かなければならない。そういう手間も1時間かかる。

なんてのんきなことを書いてないで、また再開しよう。

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お米の年間契約ご希望の方へ

今年産の年間契約のご案内をまだ出していません。先月来の大雨などのせいで忙しくしているせいで手が回らないためです。近々「(有)はんだ」のサイトからご案内しますのでよろしくお願いします。(例年通り、昨年のお客さんから優先にご案内させていただきます。)

9/17 ようやく太陽熱マルチ

早朝からゴボウの太陽熱処理用マルチング、1200m。

一昨日いい雨が降ったので、土の湿りぐあいは昨日がベストだったんだけど、なんせ風が強くて。悩みに悩んで昨日は稲刈りに回って、今日やったわけ。そしたらかなり乾いてしまってて、これで効果はどうなんだろうってとこ。朝一でやったところはまだ湿っていたけど、最後の方は昼ごろになってカラカラ。上手くいかんね。

さて、1日おきの稲刈りを実現するために、つまり明日稲刈りをするために、調整作業や保管場所の準備をせんとならんぞよ。まだやってないのよね。こうやってタイミングが集中したときはいつもバタバタ。机の上もバタバタ。なんとかならんかね。

おお、たった今、明日の調整作業での落ちが発覚。はよやろ。

9/16 コンバインのベルトが切れて

今日から稲刈りを開始。途中からコンバインにわずかに異音がしていたのだが、58aがあと1往復でお終いというときに音が大きくなったと思ったら、走行が止まってしまった。見ると走行のベルトが切れているではないか。

冷静さを失って焦った。タンクの中にはほぼ満タンの籾が入っている。すでに17:30、くたびれはピーク。今さら段取りをしてタンクの下から籾を受けてトラックに移すしかないのか!?

それが嫌なら、かなり怖いが、1トン車を田んぼに入れてコンバインのそばに横付けすること。もし立ち往生したらトラックに積んである籾も大変なことになる。この場合は、トラクターを回送してきて、誰か応援を1人呼んでワイヤーで引っ張り出すことになる。どっちにしてもこの時間からやって面白いことではない。

で10秒悩んで、1トン車を田んぼに入れることにする。一か八かだ。乾き具合のラインを慎重に読んで、思い切って入れた。止まるな止まるな・・・、かなり微妙だったが無事にコンバインまでたどり着いた。籾を移して、帰りはタイヤ1本ずらして来た道を。

あ~あ、収量も思ったより少なかったし、なんかくたびれた。はよ帰って酒飲も。たった10秒の判断は、ただ酒を飲みたかっただけかも(笑)。

9/13 畑作業があと一息

遅れに遅れている作業を進めている。たった今ニンジンの播種を終えた。緑肥の播種は計画を縮小してすでに終わらせてあるし、あとは秋まきゴボウの太陽熱処理用マルチングである。

これも、すぐにでも管理機でマルチングするだけの状態にはこぎつけている。だが一ひねり入れて、イノシシよけの電気柵と流入防止の排水溝の準備を先にしておきたい。マルチがイノシシにずたずたにされるのが目に見えているし、まさかの大雨が怖いから。

一雨が来たら、それ!マルチング!の流れだから、ここまで準備をしてスタンバイしておかないと稲刈りには向かえない。

しかしながらこの太陽熱処理。はたしてこの時期からでも効果があるのだろうか。本来は8月下旬に仕込むはずだったのだが、悪天で遅れていたところに、このたびの洪水。この時期までずれ込んでいる。

しかし悪天のおかげで救われた。もし先月にやっていたら、洪水ですべてパアになって、とんでもないことになっていた。今後は前線による大雨のリスクを避けてこの時期にやることにしたいので、結果に注目している。

さあ、午後からやるぞ。出来れば明日は稲刈りを始めたい。それにしても今日は暑ちいね。体もガタガタだししんどいよ。

9/12 進むべき方向を悩んでいる

落ち込んでいるからといって、休んでいるわけにはいかない。作業は粛々と進めている。粛々と。

当たり前に予定されていた作業と、洪水によって強いられている余分な作業をひたすら進めることに必死であるが、同時に、今後の作付けを含めた経営の方向を考えなければならない。辛い気分で辛い作業をしながらも、頭の中はこのことでいっぱいである。

今の農業を始めて今年が10年目。必然もあったし、成り行きもあったが、ずいぶんと経営は変遷している。今のようなスタイルになっているとは夢にも思わなかった(笑)。その中で大きな分岐点というのがいくつかあったが、2006年と2010年の洪水も含まれる。この地で生まれて育ってわけだから、洪水による被害はよっぽど想定はしていたが、実際に遭ってみないと分からないということはたくさんあって、それで遭うたびに方向を見定めてきて、今の経営になっている。

しかしこれまでもこのたびもそうだが、今後を考えるうえであまりにも不確定要素が多すぎる。うちのような農業は、工場を立ててすぐ生産、のように、畑を構えて、はい栽培、と簡単にはいかない。土とともにあるので数年はかかる。ある方向で進み始めて2~3年後に、やっぱり別の方向に変わらざる得ないことだってある。そうすると方向転換に大きなロスを強いられることになる。これまでにもこういうことはいくつかあって、その都度耐えて凌いでの繰り返し。

このたび頭を悩ませていることの一番大きなものに、洪水の頻度ということがある。当初は4~5年に1度来る、くらいの想定だったが、2010年以降は小さいのも含めると4年連続である。豪雨になりやすくなっているらしいことと、江の川の上流から順に田津地区の手前まで堤防が完備されたということのせいだろう。地元の人の間では、「もう毎年来ると思っとった方がええ。」という会話が飛び交う。

今の作付けは、4~5年に1度くることを想定して、2011年に主たる骨格を考えたばかりのものだ。その根底が崩れるなら、農地のことや販売のことを考え直さなければならない。販売先に迷惑をかけることは何としても避けたい。

それにしても、田津という土地。天から授かったような素晴らしい土と、洪水で叩きのめされる立地。ご先祖様はなんというところで生活を立てておられたのか。ここで生きていくということの意味をつくづくと考えさせられる。

9/11 今日は辛いぞ

今日はダメだ。気分が落ち込んで猛烈に辛い。

先月からの大雨と、この度の洪水は何の試練か。などと思うや否や、試練などと考えるから辛いのだ、しかし辛いものは辛い、などと問答に陥る。同様の仕打ちはこれまでに散々受けてきて、ずいぶん慣れたのではなかったかと思ってみるが、こういうものは積み重ねたって慣れることはなくて、ただ辛くなっていくだけということではないのかという諦めもある。

この社会を生きていく以上、経済や金のことを簡単に無視はできないが、締めるところは冷静に凌いで、時に気分が滅入りそうなときは、「ただ生きていくだけ」ということに回帰したい。人の人生も、洪水も、畑の土も、すべては大宇宙の采配。などと言いつつ、分ってないから、辛い。

諦めることは諦める。執着はしない。求めるものは、人との関係。今を生きる人たちとの時間の共有。次世代への想い。帰宅してたしなむ、一杯の酒。

9/10 励みになる

少し前のフェースブックから、天下のタルマーリーの女将の投稿を断りもなく紹介(許してね)。

こんなことに支えられて日々を頑張るのだ。

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今朝のヒカル。目覚めるなり、
「ヒカルの夢」
と言った。
「何?夢見たの?」
「違う、ショウライの夢。」
「何?」
「ゴボウ。」
「ヒカルはゴボウになりたいの?」
「違う。反田ゴボウを作る人になりたいの。」
へぇ!
「それは“ヒカルゴボウ”だな」
って格が言った。

「そしたら、反田さんのとこに修業に行かなきゃ」
って私が言うと、
「シュギョウって、いっぱいするの?」
だって。

以前に、反田さんも、
「うちの息子が大きくなったら、タルマーリーに修業に行かせるから。」
って言ってくれてた。 とすると、交換留学、いや、交換修業が実現する?!

「うちの息子には手加減しないで、ビシビシお願いします。」
って反田さんに言う日が、来るだろうか、笑。
「ありゃ駄目だ、ダメ息子だ。」
って反田さんに言われないように、ちゃんと躾けなきゃなあ。

面白いなあ。楽しみだなあ。
でも、そうして本気で技を伝えていくということは、昔は当たり前だったんだろうなあ。
丁稚奉公っていう技術習得のあり方。
「雇う、雇われる」っていう給料を介在した働き方になって、伝統的技術の伝達は途絶えていったんだなあ。

9/9 今週は忙しいぞ

待望の天気の安定。すでに入れる畑もあるし、これからどんどん乾いてくる。作業が遅れに遅れているので忙しくなる。

忙しくなるのにはもう一つ理由があって、稲刈りを控えているから。畑をひと段落させてからやりたいところだが、そうも言っておられないので、今週末から強制開始しようと考えている。

焦っても仕方がない。粛々と進めるべし。

9/7 表土は必ず守る

朝から雨。葉っぱについた泥が流される恵みの雨。

朝から缶詰めになって、洪水時に表土が流されないための今後の計画を考えている。質的にはいろんな案があるが、量的(現実的)なことを考えなければならない。それには手間を増やさずにやることを考える必要がある。

そのためには、必然として作付けを行う中で結果的に表土を守る、ということを考える以外にない。つまり土づくりの視点から行っている輪作体系に、表土を守るという機能の視点を加えるのだ。

と改まったように言うが、これまでにも洪水が来るのは7月という前提で、そういう管理をしてきた。それを「前線による大雨」の可能性がある9月上旬にまで適応しようということである。

表土が流されるのは、ダムからの放流量が毎秒3500トン前後を超えたときである。それ以下であれば、地形の構造上、表土は守られる。地元の人に聞き取りをした中で、一人の人が、「それ以下の洪水はいつでも来ているが、それ以上の洪水は前線を伴ったときでないと来ていない。」と言われた。絶妙なことを言われるその人を信じてみたい。

しかし言うは易し。7月の前提を9月上旬まで伸ばすというだけで迷宮に迷い込む。8月に入ってからの雑草は執念で種をつけるため利用しにくい。では緑肥ということになるが私が考える限りでは品種の工夫だけでは無理がある。では圃場ごとに防御帯を設けるなどという小手先の工夫も、多くの作業に追われている中で可能なものでなければならない。

そして、表土を守るだけでなく、流された圃場の回復をどう考えるのか。単に生長量の大きい緑肥を作付する、それはマメ科が有効、というようなことでいいのだろうか。落ち葉を大量に入れるということも、マシな管理としてありだろうか。そのあたりが良くわからない。

しかしながら、ピンチをチャンスに変える。こういう時にこそだ。苦しまぎれに作付を変更したら、結果的に前よりいい方向へ向かったということを目指してみたい。

今日一日のやっつけ案では、まだまだ課題が多い。どうせこれから変更だらけだろうし。日々の管理の中で、現実的な方向を模索していこう。

苦戦は覚悟。100の観察から10の思案があり、1のアイデアが浮かぶ。きっとそんなところ。しかし今後は未来永劫にわたって表土を流させない、1度たりとも流させない、命に代えても流させない、そういう決意で臨む。

9/6 洪水の写真

9月4日の田津地区


手前が江の川、左奥は畑。

一夜明けて、


ゴボウ畑


田津でも一番の圃場。分かりにくいが、かなりの表土がえぐられて流されている。

9/5 過去最悪の被害

朝一番は田津地区の見回りから。すっかり水は引いていたが、大豆もゴボウも無残な姿。このくらいは覚悟していたことだが、最悪の光景が次々と目に入ってきた。

表土が流されているのだ。かなりの圃場のかなりの面積で。

これには体の力が抜けた。もうどうしようもないくらいに。情けなくて泣きたくなった。本当に泣きたくなった。

作物がやられるのは1年ぽっきりの被害。しかし畑の命である表土が流されたのではどうにもならない。うちのように肥料を使わない栽培はもう不可能だと思われる。

87番圃場も例にもれず。隔年でゴボウを栽培し、毎回最高級のゴボウが育っていた。自然栽培のためにあるような畑だった。圃場内で状態にムラはあるが、これからどうなるだろうか。

過去2回の洪水は共に7月。そのころには畑が裸にならないように計画的に緑肥を作付けしたり雑草を生やしておいたりする。しかしこのたびはまさかのこの時期。まったくの無防備。緑肥を播種しようとして耕うんしてきれいにしていた状態だった。

これを書いていてまたしんどくなってきた。ここから立ち上がるのか、と思うと、あまりにも力が入らない。息子の代にまともな土にするために管理をやっているんだ!という理屈を持ち出してみても、切り替えはそう簡単ではない。

過去2回の洪水に比べて畑の水没深は浅く、当時だってきれいに耕した状態の畑はあったが、表土が流された割合は明らかに今回が高い。水の流れは繊細だ。周囲のわずかな植生の変化でも変わる。そういうことを3回目で学んだことになる。

次も必ず来る。4年くらいに1度は必ず来るのだ。流されてしまったところは仕方がないとして、次に2度と同じことを繰り返さないことだ。

しかし経営の中でそんなことが可能だろうか。このたび級の洪水が梅雨時期以外にもやってくるという前提を加えるのであれば、少し考えただけではもう不可能に思える。しかしそれでは私が人生をかけたテーマと公言する「洪水との共存」は潰えることになる。たかが3度のダメージで諦めるのであれば、初めから何も騒ぐほどのことではなかったということだ。

まあ考えてみれば放射能よりはマシ。農地を奪われたわけではない。と思ってもなかなか気持ちが戻らない。このたびはよっぽど参っている。

9/4 3度目の洗礼

浜原ダムの放流により増水した江の川は、10時ごろから大豆畑を浸しはじめ、15時ごろ最後に残ったゴボウ畑を呑み込み、18時ごろ水位のピーク。田津地区は雄大な大河と化した。

今回の最大放水量は毎秒4100トン。今どんどん減っていて、22時ごろにはすっかり畑から引くと思われる。

一日が長い。少し疲れた。休みたい。

9/3 雨が降り続いている

先月末の豪雨以降は、100時間程度の休止を挟んだだけで、ずっと雨が降り続いている。復旧が進む中、災害も進行形で新たに発生していて、つい今しがたもこの近くの幹線が土砂崩れで通行止めだという無線放送が流れた。この天気はまだ数日続く可能性がある。大きなことにならねば良いが。

作業の方は、もうテンデお話にならない。天気図から覚悟はしていたので、もうとっくに諦めているが、8月中にやっておきたかった主要作業は何もかも進んでいない。

●秋まきゴボウのトレンチャーがけおよび太陽熱マルチ
●緑肥の播種
●ニンジンの播種

これらがメイン。それぞれにタイミングがあるので、もう数日たてば相当まずいことになる。ニンジンなどは作付けの断念ということと同義になるので、もう本当に痛い。痛すぎて痛みを感じないくらい。昨年はゴボウ並みの最高級の賛辞をたくさんいただいたのに、なんとも残念なことである。

少し前はJASの書類作りで缶詰になっていたのに、あの時に作業を進めて、今書類を作っていたなら、ずいぶん救われただろうななどと考えてしまう。考えたって仕方がないのに考えてしまう。

一見無事そうな田畑にも、ずっと水が溜まっている。ゴボウ畑がいくら驚異の水はけといってもさすがに程度があるし、面積が太い大豆などの障害はどうなのだろう。

今年は厳しい年になる。

9/2 家庭菜園の普及のために(3)

偉そうなことを言ったところで、もちろん私が今の農業をやっているのは家庭菜園の普及のためなどではない。私はただ専業農家になりたかった。農業だけをして食っていきたかった。もちろん条件はあって、人の健康や環境を食いつぶすことで成り立つ経済に組み込まれている農業ではなく、それなりに「正しい」農業だけをして食っていきたかった。兼業も半Xも気に入らない。そしてそれは実現した。

しかし蓋をあけると矛盾だらけ。機械化しているので仕方がないんだけど、その一番が投下エネルギーの問題。例えば100カロリーの農産物を生産するために何カロリーのエネルギーを生産過程で消費しているかということ。はっきりと計算することは難しいのだが、限りなくゼロに近いほどがいいわけ。(これが明らかに逆転している現場もたくさんある!)

しかしまあ、仕事をするということはイコール石油やエネルギーを消費するということだから、他のあらゆる職業が生み出すカロリーがゼロであるのに対し、私はいくらかは生み出している(生産行為をしている)んだからいいじゃないかなどと自分を慰めることになる。

そこで対極にあるかに見える家庭菜園の素晴らしさが光る。初めは私がやっている農業とは絡みにくいなあとガッカリしていたのだが、自然栽培の世界を知ってからはそうではないと思うようになった。むしろうちの取り組みは家庭菜園の普及を後押ししているのではないかと。

だから昨日まで偉そうなことを言ってきたが、すべて後付けである。たまたまそう思うようになってきたということ。しかしこれで今の私は心穏やかになった。単純と言われようと少し違うと言われようと、すでに悩むものではない。みんな矛盾を抱えて生きている。仮に批判する人がいたところで、その人だって悩んで生きている。みんな答えを求めて生きている。生きる以上は仕方がない。

なお、家庭菜園は、無肥料・無堆肥などを基本とする栽培(これを自然栽培と表現したわけだかが)を原則としたほうが後押しになりやすいと感じている。有機肥料などを使う前提では今一つだ。これについては説明が面倒だからパスする。だから今説明したコジツケにたどり着けたわけだ。

9/1 家庭菜園の普及のために(2)

時間の制約がある中で、息抜き程度で書いているので分かりにくくなる。

今の日本で家庭菜園の普及した社会とは、普及する過程で現代の様々な諸問題が解決している社会である。これから30年くらいかけて例えば国民の半数が菜園に取り組むようになるなら、その過程で、エネルギーの問題、自給率の問題、安全保障の問題、健康の問題、教育の問題、地域格差の問題、景気の問題、など思いつくものは片っ端からより良い方向へ向かうだろうと思っている。

「家庭菜園」などと呼ぶからその凄さが目立たない、要するに「自給」である。しかし全てをまかなう必要はない。野菜を数種類程度でいい。それでいい。

そういう私なりの理想の社会の一断片の実現へ向かって、うちの今の大規模(中規模)の機械化農業は貢献すると考えているのである。

矛盾はしない。自然栽培の普及というのは、家庭菜園の普及に明らかに有効と考えている。その自然栽培の普及や啓蒙のためには、ちまちまと小面積で取り組む農家だけでなく、うちのように大規模で取り組む農家がいた方が圧倒的に効果的だろう。このことは私が農業にあこがれたときからずっと考えていることである。ちまちまだけでは「特殊」扱いされるのがオチ。うちくらいの規模ならそれはない。スタンダードには程遠くても絶対に無視はできない。自分はそういうポジションにいたい。そう思い続けて20年くらいたつ。実際にうちの取り組みを見て「価値観が変わった」的なことを言われたことは少なくない。してやったりではないか。

そしてあらゆる取り組みや活動は目的を達したら終わるのが必然。家庭菜園が普及して、うちのような農家はいなくなるのが理想である。石油をバンバン燃やしてやる農業体などは、あくまで過渡期の存在であってほしい。しかし「こんな社会では自分たちは食っていけない」というクチは食品の業界では実に多いだろう。だが心配はいらない。急にそうなることなんかあり得ないのだから。早くても30年後とかそういうスパンの話だろうから、その間に順次変容して行けているはずである。

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